第5回連載 2月19日「ecoリサイクルセンター白老」を巡る新たな動き
白老町役場は、「ecoリサイクルセンター白老」が製造した燃料、4,500トンは、不良燃料として、毎年、細々と500トンではありますが、1億円をもの大金を掛けて、燃料再生を行う方針です。
財政状況の悪い町とっては、この措置は、大きな負担でしょう。
この燃料の「亜臨界肥料としての価値」を知る、北海道亜臨界肥料流通機構加盟の農家リーダーは、白老町のこの窮状を救おうと、考えました。
この不良燃料を、この春、各地の農家の協力を得て、地元農場の融雪剤として使って白老町に貢献しようとし、当研究所に相談。
地元誌にも取り上げられました。
しかし、当研究所は、農家に注意を促しました。
白老町からの融雪剤を充てにしたものの、結局は白老町から融雪剤が手に入らない可能性もあるので、
12月中に白老町動きが無い場合は、従来通りの企業から融雪剤を購入するようようにとです。
結局は、購入する事態は出現しませんでした。
町議会議員の中には、何とか「ecoリサイクルセンター白老」を再稼働させて国に建設補助金を返済させないで済むよう真剣に考えてる方々もおります。
融雪剤は致し方ないものの、「ecoリサイクルセンター白老」での亜臨界アミノ酸液肥化事業導入可能性を探るため、議員グループで、1月末、北海道亜臨界肥料流通機構加盟の専門企業を招いて勉強会開催です。
流通機構企業からも、議員は、真剣に前向きに「ecoリサイクルセンター白老」再稼働を考えてるようだとの報告が来ています。
一方、白老町民の方からは、町財政櫃泊で、町立病院存続問題が発生しているのに、横で、1億円も掛けて
不良燃料を再生するのは、問題だ。
何とかしなければならない!との意見も頂いています。
「ecoリサイクルセンター白老」問題は、地域の問題です。
まずは、町民、町議会が、町当局に解決策を任せきりにしないで、真剣に再稼働問題を検証すべきと思います。
西胆振広域連合の「メルトタワー21」問題のように、最後、大きなごみ処理経費等の住民負担増にならないよう、早く、解決策を皆で講じるべきでしょう。
今回、各地の農家の皆さんには、「白老町不良燃料の融雪剤活用を諦めなさい」と、助言したところです。
しかし、2月に入り、新たに以下の相談が、当北海道資源循環研究所に寄せられています。
町議員にも、相談事項は伝えていますが、どうしたもんか?と、思案中です。
昨年、北海道亜臨界肥料流通機構に加盟してる大手液肥メーカーが、一時、「ecoリサイクルセンター白老」を活用して、亜臨界アミノ酸液肥製造を検討し、相談も受けました。
当研究所からすれば、白老町は、大きなチャンスを、みすみす逃がしたと見ています。
当研究所は、製造特許等の事もあり、関係なしとはしませんが、やはり、以下相談事項は、チャンスなのか?
町民、議員、町長が、真剣に向き合うべきと考えます。
1 1肥料企業から、
「不良燃料2000㌧を、融雪剤、亜臨界肥料として購入したい。
ただし、保管中の燃料の状態を確認は必要」
2 飼料製造企業から
「「ecoリサイクルセンター白老」で、水産加工副産物を原料として「魚の餌」として、製造してほ
しい。
量は、多ければ多いほど良い。 (現在販売燃料の売値の約8倍での購入申し出で。)
しかし、白老町の判断に時間が掛かるようなら、他地域に自分で工場を建設する。」
<第4回連載12月30日 「ごみ民主主議」と白老町を考える。>
第3回連載で、岩見沢市民が市役所のごみ処理施設建設方針を変更させるため、
粘り強く、広く市民呼び掛け行動をしたお話をしました。
白老町と同じ管内の室蘭市等で構成する西いぶり広域連合「メルトタワー21」=ごみ溶融炉導入を、
岩見沢市役所に断念させ、他の方式に変更させるというお話でした。
岩見沢市民の行動に、市民民主主議モデルを見させていただきました。
岩見沢市民の、岩見沢市民による、岩見沢市民のための、「ごみ市民民主主議」です。
「ごみ」は、市民、子供からお年寄りまで、全員が、毎日、出します。
わが町のごみ処理は、どうするか?
市民に一番身近な政治問題です。
小学校では、4年生か5年生の時、
自分達が出した「ごみ」を自分の町は、どのように処理しているか勉強します。
子供のためにも、また未来の子供のためにも、大人は、わが町のごみ処理に、
責任を持たなければなりません。
子供に「市役所か先生に聞いてみろ」では、ダメですね。
大人は、自分で出したごみの処理位、知っていないと恥ずかしいですね。
岩見沢の市民・農家の皆さんは、自ら考え、行動し、その答えを出しました。
素晴らしいことです。
「役所へのお任せ民主主議」は、止めなければなりません。
年末の総選挙は、投票率は、過去最低でした。
これからの国の大事な行く末を、半分の国民が、意見も言わない、白紙委任です。
民主主議の危機ですが、そのつけは、最後は、自分に、子や孫に帰ってきます。
政治は何も、難しいことではありません。
毎日出している、「自分のごみ・し尿」は、
自分の町は、どうしているのだろう?
これで良いのか?
何かいい方法は無いのか?
勉強してみよう!
これは、もう政治に参加です。
そして、これは、地球環境問題解決に直結しています。
民主主議にとって、一番重要なのは何かな?と考えます。
役所にいた経験からすると、「役所の情報開示」でないかと考えています。
役人としては、どうしても、自分らの不都合なことは、本能的に隠したくなります。
「出来れば、不都合なことは、議会、市民には、知らせたくない」
「出来れば、市民は、難しいことは言わないで、役所にすべてお任せいただきたい!」が本音です。
こうした役人・役所から、「住民・市民民主主議を守る」ため、地方自治法があります。
役所を適正な方向に行かせようと、市民に市長・議員選出権、請願・陳情権等を与え、
市民民主主議を保証しています。
「見ざる・聞かざる・言わざる~市民、議員」を、役人は、一番、好きです。
自分の街を良くしたいのであれば、市民は、逆に動く必要があります。
岩見沢市民のように、役所仕事を「よく見る・よく聞く・よく言う。」です。
これで市民の市政参加達成です。
ごみ処理施設の建設、管理は、中々難しい事案です。
ある中堅都市の副市長からは、
「ごみ処理について相談できる職員がいない。その中で、方向を出さなければならない。」
との悩みを打ち明けられました。
中小の自治体市町村では、当然、ごみ専門技術職員を配置できていません。
この結果、プラントメーカーに工場の建設、管理運営を丸投げし、
後で、痛い目に会っている事が良くあります。
市民も議会も専門家がいませんから、ごみ処理については、どうしても「役所にお任せ」になりがちです。
それが、「お任せ民主主議」になってきました。
そして、その結果が、住民の経費負担増です。
さて、白老町役場「ecoリサイクルセンター白老」です。
何度もお話していますが、
「ecoリサイクルセンター白老」は、折角の資源化の宝物施設です。
胆振、否、北海道の資源化の宝になる可能性のある資源化施設です。
因って、再稼働案も提示させていただいています。
このような情報も、広く住民の皆さんには積極的に、収集していってほしいと思います。
「ecoリサイクルセンター白老」再稼働の可能性も、岩見沢市民をモデルに、良く「知る」を期待します。
しかし、その前に、もう一つ重要な事があります。
どうして現在のような、「ecoリサイクルセンター白老」休止状態になったのか?
再検証です。
同じ、失敗の繰り返しは、避けましょう。
PDCAサイクルを役場、議会、町民の皆さんで回してみる事です。
同じ失敗をしないために、是非、お勧めです。
計画(P)実施(D)検証(C) 改善実施(A)です。
今は、改めて、C、Aを行うべきです。
全国のごみ・環境関係者が、白老町を注目しています。
「白老町民ごみ民主主議」を期待です。
今回の連載では、岩見沢市の他、美唄市、富良野市を取り上げる予定でした。
他のコラムでも取り上げていきますが、次回以降に記載したいと思います。
特に、美唄市さんには、白老町役場「ecoリサイクルセンター白老」の上記C、Aを
勝手ながら、当北海道資源循環研究所の立場から提案させていただいた経緯があります。
< 第3回連載 12月21日「ecoリサイクルセンター白老」建設補助金問題>
最近、会計検査院から、休止中のごみ処理施設に財産処分等の勧告が出されました。
国から補助金交付を受けて、ごみ処理施設を建設しながら、継続的に稼働できていない自治体には、
継続的な施設の使用再開に向けた対応方針を示すよう自治体に促すとともに、継続的使用を見込めな
い自治体には、補助金等返済を措置するよう要求しました。
納めた税金が、稼働できなようなごみ処理施設に投入されることは、許されることではなく、
国民の目線からは当然の措置です。
道内で休止しているごみ処理施設として、北しりべし廃棄物処理広域連合ごみ溶融炉が挙げられて
います。
広域連合は、どうするのでしょう?
このままいけば、住民負担も大変でしょう。
12月7日の白老町セミナーでは、北しりべしと同じ溶融炉である室蘭市等の溶融炉「メルトタワー
21」のプラントメーカーとの裁判問題に触れ、この対応策を提示しましたが、室蘭市等もこのように
ならないよう祈るばかりです。
ここに来て思うのは、岩見沢市民、岩見沢市議会の対応です。
岩見沢市は、室蘭市と同じ「ごみ溶融炉」導入を決定していました。
市民が勉強会を開催し、報道機関の支援も得て、この溶融炉導入を根気強く反対しました。
最後は、市議会も専門家を招いて溶融炉導入反対の立場となり、とうとう、岩見沢市役所に室蘭市
と同じ溶融炉導入について撤回をさせました。
今から3年前の事です。
この時、市民が動かなければどうなっていたでしょう。
ごみ民主主議の勝利でした。
岩見沢市役所、いや、岩見沢市は、市民に本当に助けられました。
岩見沢市民、万歳です。
翻って、白老町の「ecoリサイクルセンター白老」の補助金返済問題はどうでしょう?
第1回連載に記載しました12月7日の白老町セミナーで、会場の皆さんと意見交換しました。
以下のような、見通しを述べる町民、記者の方がおられ、びっくりしました。
① 「ecoリサイクルセンター白老」は、一部施設が動いているという。休止ではない。
② この状態を、細々続ければ、補助金を返済しないで済むのでないか?
即座に、「それは、無いでしょう!!」と言いたいところでした。
一呼吸置きました。
補助金返済問題は、会計検査院が判断することですが、税金を納入する国民の目線から考えれば、
自ずと答えが出るのではないでしょうか?
「ecoリサイクルセンター白老」現状は、以下の通りです。
① 今、「ecoリサイクルセンター白老」は、ごみ搬入を一切していません。
② この燃料資源化施設の心臓部分である亜臨界水処理装置1式が、全く稼働していません。
③ 今まで製造し終わった不良燃料を4500トンを、施設のごく1部を使い固形化しているだけす。
④ 不良燃料4500トンの固形化を、毎年500トンずつ行うとのことです。
4500トンの固形化等は、1年で出来る能力があるはずです。
これを、わざわざ、毎年500トンずつ行うとは、補助金返済逃れとして糾弾されませんか?
⑤ ごみ受け入れが出来ないという事は、国が求めるごみ処理・資源化施設機能が既に喪失している
ということであり、休止そのものです。
⑥ 今の状態を継続すればするほど、町財政再建に逆行しています。
このような現状を、国民目線での会計検査院が是認するとは、到底考えられません。
今回、会計検査院は、休止中のごみ処理施設に、継続的な施設の使用再開を要求しています。
この観点に立ち、当研究所及び北海道亜臨界肥料流通機構は、連載第1回のように「ecoリサイクル
センター白老」の使用再開案を、不良燃料の融雪剤化を含め提案させていただきました。
白老町の皆さんには、「ecoリサイクルセンター白老」を本来の資源化施設として復活させるため
に、汗を流して欲しいと思います。
< 次回、第4回連載は、「ごみ民主主義」を考えます。>
岩見沢市、美唄市、富良野市のお話もさせていただきます。
⬆写真は、「ECOリサイクルセンター白老」工場にて。
各専門家が集結し、現在休止中のこの施設の再稼働に向け、施設の実態調査をしている様子です。
各専門家達の真剣な議論が、施設の再稼働を後押しします。
<第2回連載 12月16日 北海道亜臨界肥料流通機構による白老町支援>
1 北海道亜臨界肥料流通機構とは
北海道亜臨界肥料流通機構が、「ecoリサイクルセンター白老」の支援に立ち上がっています。
当機構は、市民、農家、専門家、企業等を会員としています。
国内最大手の液肥メーカー、装置メーカー、堆肥化企業も加盟しています。
自治体市町村に地元廃棄物を亜臨界肥料する工場建設を働きかけていくためには、まず、地域に亜臨界
肥料を普及させる必要があると考え、現在、亜飛亜臨界アミノ酸液肥の普及を図っている団体です。
代表理事は、北大農学部名誉教授の飯澤理一郎さんです。
平成23年に設立され、来年度、一般社団法人化が計画されています。
この3月、「ecoリサイクルセンター白老」のごみ受け入れ停止が決まり、当研究所に白老町か「e
coリサイクルセンター白老」再稼働に向けて、支援要請があったのは第1回記事でお知らせしました。
機構会員は、支援要請を受けて立ち上がりました。
2 流通機構会員の白老町支援意見
白老町からの支援要請に、機構会員からは、次のような意見が出ました。
① 折角の亜臨界アミノ酸液肥を作れる亜臨界水装置(10㎥×3基・「ecoリサイクルセンター白
老」の心臓部)が、止まっているのは、勿体無い。
② 下水道汚泥の亜臨界肥料化については、白老町施設で既に試作が行われており、
道内各地でも既に実際に下水道汚泥亜臨界肥料が試作されている。
また、流通機構会員が既に中国無錫地域で製造、販売を行い高い評価を得ている。
これらの実績からも、「ecoリサイクルセンター白老」の亜臨界水装置で下水道汚泥亜臨界アミノ酸
液肥製造を開始することに、問題はない。
しかし、亜臨界肥料化事業を導入する白老町は、今までの経緯を見ると、実際のところ、亜臨界肥料
化を理解できていないだろうから、まずは、白老町自身で、亜臨界アミノ酸液肥化等を実体験させなけ
ればならないだろう。
③ 役場だから、実証試験をするにしても、その費用を確保するにも時間ががかかるだろう。
白老町は、第2の夕張か?等の報道もあり、資金もないのではないか?
当機構が、道庁に、下水道汚泥の亜臨界アミノ酸液肥化市場調査・実証試験(リサイクル産業創出事
業)の補助金を申請し、資金援助を得て、白老町を支援しては、どうか?
④ 下水道汚泥亜臨界肥料化リサイクル産業創出事業の認定を道知事から、受ければ、白老町町ばかりで
なく、下水道汚泥亜臨界肥料化に興味を示している他自治体市町村への支援になる。
3 道知事へ「下水道汚泥亜臨界肥料化・リサイクル産業創出事業計画」認定申請
① 機構会員の意見から、機構を代表して、当北海道資源循環研究所が、表記計画を道知事に5月申請。
② 事業計画認定審査会では、審査委員の先生方も、白老町の燃料化トラブル続きで、工場が閉鎖され
てるのを、既に、ご存知で、「ecoリサイクルセンター白老」再稼働支援に激励を頂く。
③ 表記事業計画は、認定され、北海道庁のホームページにも掲載中。
この報に、白老町も喜んでくれました。
4 流通機構会員の活躍
① 機構会員は、「ecoリサイクルセンター白老」再稼働に向けて、専門家、専門企業等の会員が、4
回に分かれて、「ecoリサイクルセンター白老」の実証検証試験に入りました。
また、下水道汚泥亜臨界肥料の市場調査も進めています。
② その検証結果が、12月7日白老町で発表しました、「ecoリサイクルセンター白老再稼働案」と
して結実しました。
③ そして、「ecoリサイクルセンター白老」実証検証中、大きな出来事がありました。
保管中の4,500トンの不良燃料を手にしていた、農家会員から、「研究所さん、これ、農家の融雪剤
として使えるよ」と耳打ちされたことです。
白老町側に伝えますと。
白老町「融雪剤に転用となれば、製紙会社に渡す、燃料がなくなる。困るよ」
研究所「可笑しな事言うね? 不良燃料が、他に活用されれば、「ecoリサイクルセンター白
老」再稼働のための抜本解決になるではないか?
機構の農家会員に融雪剤等の使用実験をしてもらったほうが良い。」
白老町 「町で、不良燃料、肥料分析して、成分分析表、5会員農家に渡すよ。」
④ 会員農家、地域農家に不良燃料の融雪剤としての使用を打診
白老町の状況を会員農家が、地域各農家に説明。
白老町融雪剤、このままでは、使いずらい。しかし、低価格と白老町への支援の立場から、各農家、
使用について了解を得る。
その数、農家100戸を確保。
機構の農家会員さんの行動力は凄い!!
農家の皆さんは、、なんでも出来る、力持ちです。
不器用な私からは、本当に尊敬の的です。
5 北海道新聞にも不良燃料の融雪剤転用記事が載りました。
不良燃料の融雪剤への活用が、確定しますと、今後、不良燃料再生経費9億円が浮きます。
白老町としては、大変な財政効果です。
しかし、白老町の皆さん、道新さんにも、伝えましたが・・・・。
「白老町役場からの各地農家への融雪剤配布決定連絡が、遅れると、各地農家には、迷惑をかける。
12月中には、融雪剤への転用決定有無の判断が必要。
役場の判断がない時は、機構会員は、農家に、他の企業から、融雪剤を購入するよう、伝える。」
機構会員からは、
「不良燃料の融雪剤への転用位、白老町は、なぜ、早く、決めれないんだ?
可笑しい!!
役場はそれほど、町議会に弱いのか?
信じられない。」
との意見も。
役所と付き合うには、民間と違う、役所の現状を、知ってもらうのも、役人経験者の多いNPO研
究所の役割です。
最近、機構会員さんも、少し、役所、役人気質を、分かるようになってきました。
それが、好いのか、悪いのかは、分かりませんが・・・・・・。
白老町を通して、自分の町の役所を思い出していただき、役所へのアプローチの仕方を考えていただ
いています。
< 次回、「ecoリサイクルセンター白老」農水省補助金返済問題を、考えます。>
お知らせです。
平成27年1月31日(土曜日)岩見沢市民会館で13時半から、第6回空知地区「バイオマスリサイクル
事業の展望 IN 北海道」の開催が決まりました。
下水道汚泥亜臨界肥料化事業導入の一番のターゲット地域です。
岩見沢市、美唄市の農家の皆さん、市民の皆さんと熱い議論が楽しみです。
<第1回連載 12月13日>
こうした事態を受けて、北海道資源循環研究所及び北海道亜臨界肥料流通機構は、12月7日、白老町において第5回「胆振地区バイオマス・リサイクル事業の展望」を開催し、「ecoリサイクルセンター白老」の再稼働案を発表しました。
当日は、専門家によるパネルデスカッションを行い、会場の町民、議員、環境関係企業、団体の皆様と意見交換を行いました。
白老町役場には、旭川など他地区同様、当セミナーへの案内は出していませんが、白老町が置かれている現状を見ますと、町民、議会の皆様に力を発揮していただき、白老町役場、白老町を窮地から救ってほしいと考えます。
「ecoリサイクルセンター白老」は、現在、保管中の塩素分含有量が多い不良燃料を今年から毎年1億円、計9億円を掛けて再生する計画でいます。
平成26年12月7日の説明会の中で、この1月からこの不良燃料の再生を止めて、道内各地の農家に融雪剤として流通させてはどうかとの提案を行いました。
これは、道内各地域の北海道亜臨界肥料流通機構会員の支援を得て、実現見込みが立ち、提案したものです。
時間がありません。
下記の経緯にもありますように、白老町役場には専門技術員がいなく致し方ありませんが、亜臨界肥料化技術について習熟できておらず、町役場は当技術を町議会に説明していくことに自信を失っているように思います。
ここは、町民、町議員が頑張っていくしかない、と札幌では考えています。
時間が切迫しています。
また、来年の1億円を掛けて不良燃料の再生をするかしないかとの瀬戸際です。
折角の道内農家さんの協力を得るチヤンスです。
下記のように、また、チヤンスを失うことは、是非、避けてほしいものです。
記
1 「ecoリサイクルセンター白老」の現状
報道によりますと、「ecoリサイクルセンター白老」は、以下の状況にあります。
① 全国で初めての高温高圧処理によるごみ燃料化を開始した「ecoリサイクルセンター白老」は、5年でごみの搬入を取りやめ、中核施設の高温高圧処理装置は完全に休止。
② ①は、燃料化経費の高騰のため、議会が操業の継続を認めなかった措置によるものです。
③ それでも、製紙会社が受け入れを拒否した保管中の高濃度塩素含有不良燃料の再加工に、同工場の1部を使用。年間1億円、向う9年間で9億円を掛けていく方針とのことです。
④ 財政櫃泊している町・町民にとって、これは大変な事態。
2 当北海道資源循環研究所との関係経緯
① 研究所は、生ごみを含む白老町燃料化は失敗に終わると予測し、「ecoリサイクルセンター白老」高温高圧装置を活用した亜臨界アミノ酸液肥への変換を提案してきました。
② 白老町各部長も、亜臨界アミノ酸液肥化の相談に北海道資源循環研究所を訪問。
③ それでも燃料化を継続。今の事態になっています。
過去、何度か燃料化から経費の掛からない肥料化へのチヤンスがありました。
3 今年、3月、突然、白老町から当研究所に連絡がある。
内容は次の通り。
①「ecoリサイクルセンター白老」は、ごみの受け入れを中止した。
② このままでは、農水省へ「ecoリサイクルセンター白老」建設補助金を返済しなければならない。
③ ついては、「ecoリサイクルセンター白老」再稼働として、「ecoリサイクルセンター白老」による下水道汚泥の亜臨界肥料化検討を、農水省に具申したいので、協力をお願いしたい。
北海道亜臨界肥料流通機構支援体制(第2回で記載)
連載第2回に続きます・・
白老町は変われるか?(連載記事)
<はじめに>
今、白老町役場「ecoリサイクルセンター白老」の動向が、国内のごみ処理、資源化関係者の注目を浴びています。
また、白老町は、報道では「第2の夕張にならないか?」との、懸念も報道されています。
ごみ資源化問題ばかりでなく、住民自治の問題からも、白老町を考えて行きたいと思います。
白老町が、第2の夕張にならないよう、白老町以外の皆様のご協力、ご支援もお願いいたします。
白老町役場「ecoリサイクルセンター白老の推移」を見守り、随時、報告して行きます。
皆様の意見もどうぞ、お寄せください。
研究所の方で、皆様のご意見等も、この欄で載せて行きたいと考えています。
自治体市町村支援、NPO法人の使命と考えています。
<現 状>
国内で注目されている、白老町役場「ecoリサイクルセンター白老」は、現在、家庭ごみ搬入を停止し、この停止により、以前のように登別市の焼却場に家庭ごみ搬入を戻しました。
ごみ搬入処理を中止したにもかかわらず、毎年1億円を掛けて不良燃料(500t)を再生しています。
単純計算するとトン20万円の製造コストで5800円の売り上げになります。
厳しい町財政には、大きな負担です。
農水省への建設補助金返済問題も控えています。
<12月7日(日)>
第5回「胆振バイオマス・リサイクル事業の展望」IN北海道が、胆振管内白老町で開催されました。
家庭可燃ごみの受け入れを中止している白老町の「ecoリサイクルセンター白老」の再稼働案が、下記のように提案されました。
5人の専門家によるパネルデスカッションが行われ、会場参加者の今後の「ecoリサイクルセンター白老」の在り方について熱い意見交換が行われました。
<12月9日(火)>
「ecoリサイクルセンター白老」再稼働案の、不良燃料500t(再生費用年間1億円)の道内各地での融雪剤等への使用について、各地域から可能との報告がありました。
これにより、「ecoリサイクルセンター白老」再稼働の実現性は、大きくなりました。
「ecoリサイクルセンター白老」は、以下のように、白老町ばかりでなく、西胆振地域のごみ処理・資源化問題解決に寄与する可能性も出てきました。
同じく胆振管内にある農林水産省施設では、亜臨界肥料化施設が円滑に稼働しています。
この施設を参考に、「ecoリサイクルセンター」の再稼働のあり方を議論していただきたいと思います。
市民、農家、漁師の皆様の今後の議論を注目します。
皆様の熱い思いが、議会、役所を動かしていきます。
日時 平成26年12月7日(日)
場所 白老町公民会館
亜臨界液肥化技術に関わりのある技術者や実際に亜臨界アミノ酸液肥を使用している農家の方等を迎え、以下5点をテーマにパネルディスカッションを行いました。また、「ecoリサイクルセンター白老」の再稼働案も提示させていただきました。詳しくは、こちら。
(1)裁判提訴中の西いぶり広域連合の「メルトタワー21」問題対策
(2)Cd含有ほたてウロ処理・資源化問題対策
(3)ビノス貝等水産廃棄物の処理問題
(4)白老町役場「ecoリサイクルセンター白老」
(5)伊達地方の農家、白老町肉牛牧草地の肥料、燃料費高騰
同じ胆振管内の農林水産省施設では、全国に先駆け、亜臨界水処理施設を円滑に稼働させています。白老町「ecoリサイクルセンター」もこれに続いていただきたいものです。
胆振地方が、全国の亜臨界肥料化事業の先進地となることを期待しています。